新たなる旅立ち 過去のトラウマを払拭し、本当の自分を取り戻したある主婦の症例

このご婦人は当初、腰痛治療で来院していましたが、人とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、家族関係、特に夫との関係が上手くいかないとのことで相談に来られました。 (院長からの解説)
このご婦人は当初、腰痛治療で来院していましたが、人とのコミュニケーションがうまくいかなかったり、家族関係、特に夫との関係が上手くいかないとのことで相談に来られました。

催眠療法について説明すると「是非セッションを受けたい」という事で、結果的に3回のセッションを持ちました。
1、2回は退行療法で3回目は過去世を見るセッションを行いました。
その後彼女は来院して、この手紙を持参しました。この手紙は彼女の許可を得て掲載しています。

ご婦人からの感謝のお手紙

2007年9月、10月 退行催眠を受ける日は、いつも素晴らしい秋晴れでした。
私の心にはある決断がありました。
現世の中では、様々な出会いがあります。その時点でいつまでも忘れられない人がいました。

また思い出したくない過去、波長が合わない人達がいました。
それらすべての思いを、全部 自分の心から掃き出して、その綺麗になった場所に秋晴れのような気持ち、爽快な心地良い風をいつまでも吹かせたいと思い、退行催眠を受けました。
まず、0歳~42歳までの退行です。
先生の声は本当に優しく、私の過去にあった悲しく辛い思いをすべて開いてくれました。
ただ驚いたことに楽しかった
日々も数々登場してきて、その部分では自分はなんて幸せだったんだろう。
両親にも不平不満ばかり言っていたのに、あんなに愛されて育てていただいていたのだと気づかされました。
そして先生の声は42歳までの数々のネガティブな場面をすべて愛のある明るい場面に書き換えてくださいました。
日常生活でも苦手だなと思っていた方からプレゼントをいただいてしまったり、ぎくしゃくしていた夫との関係も、思いやりのあるやりとりができるようになり優しい関係に変化していきました。
先生に「いろいろ、周囲との関係が変わって来たんです」とお話したら「それはあなたが発するエネルギーが変わったからですよ」
と言われました。
そしていよいよ楽しみにしていた過去世。
私は先生に『今の夫との過去世と、遠い昔に出会ったある人物との過去世を見てください』とお願いしました。
まず光に包まれて森のトンネルを抜け、石の階段を下りると、かつて見たことがないほど青い海が見えました。
白い砂浜に主人と私がいました。
次にパルテノン神殿が見えました。ギリシャのようです。
二人は微笑みあっています。
主人は天然パーマで今よりもう少し身体が大きいように見えました。
私の前世(サラ)もちょっとふっくらしていて、黒い髪でとても美しい女性でした。(ワァー美化してると思いました)
両親はお城に住んでいて、両肘椅子にデーンと座った厳格そうな父が見えました。
20歳を過ぎ、お城を出て海で出会った青年と結婚しました。
夫の職業はワイン作り。
毎日ぶどう園にでかけています。
サラさんは森の中で足湯をし、オリーブ油を使って自分の長い髪を綺麗にとかしたりして、とても優雅に暮らしているように見えました。
子供は男の子が一人。
やはり天然パーマのかわいい子が見えました。
サラさんは子供時代に非常に厳しく育てられ、家を出ますが、夫と子供との生活はとても自由でのびやかでした。
ただ、人間の友人というよりは自然や動物、小鳥達といる静かな生活の方が気に入っているようでした。
サラさんはとっても謙虚で静かな女性で、夫のことをいつも尊敬し愛しているようでした。
夫ヴァスティーノさんも、そんな控えめなサラさんのことを心から愛し、仕事もますます励んでいるようでした。
二人の間に愛、信頼、尊敬の姿が見え、不平不満ばかりを並べ、口ごたえばかりしていた現世の私にとっては、とてもお手本になるシーンでした。
そして次に先生に現世で出会ったある忘れられない人物との出会いの旅に連れていっていただきました。
場所は天安門広場が見えました。
そこに赤いチャイナドレスを着た5歳くらいの女の子がポツンといました。
そして次に年老いたご夫婦。
どうも自分の一族の事情があり、一度親から離されて老夫婦に預けられたようです。
その女の子の名前はメイリン(私の過去世)。
メイリンちゃんはその時とっても不安に思います。
そしてふと顔を上げると、8歳くらいの青いチャイナ服を着たお兄ちゃんがいます。
なんと私が逢いたかった人です。
そう、私達は過去世において兄弟だったのです。
もしかしたら異母兄弟だったのかも知れません。
不安の状況下でも光を見つけ、お兄ちゃんという大好きな存在に支えられて養父母にお世話になって生きています。
その後成人し、メイリンは一族にまた戻されます。
お兄ちゃんは医学の道に進み、メイリンとは離れます。
もともとは裕福な家の子だったようです。
20歳になったメイリンは豪華な中華レストランで一族のおばあ様(現世の祖母)、親族、学者さん、易者さん方と一緒に食事を楽しんでいました。
好奇心旺盛なメイリンは、そんな知識人達のお話を聞くのが大好きでした。
その後小学校の先生となり、一生独身で過ごしていました。
ただ、メイリンはいつも活発で勉強家。内面も充実した女性でした。
逢いたかった人は過去世での兄だとわかり、気持ちがすーっとしました。
身内のように心安らかになったり、楽しかったりしたのはそのせいだったのです。
また涙が出そうになるほどせつなくなった気持ちも分かりました。

ギリシャのサラさんは現世の私にこう言いました。『”朝日を浴びて下さい”目を閉じ耳をすましてください。鳥の声、自然の風を感じます。山・海・森・大自然の中で抱かれてください。そうすればあなたはもっともっと元気になり活性化します。自然に優しい気持ちになりますよ』

メイリンちゃんはこう言いました。
『自分は幼い頃、両親と離れて育ち、職業を持ち一生独身で過ごしたけど、来世は自分の家族を持ち、家族の為に生きたいなあ』

サラさんとメイリンちゃんは対照的でした。
私の中にも一人でいるのが好きな静かな部分と、活発で、人前でもはっきり意見を言って物事を推し進めていくような部分とが両方あります。
どちらにしても、サラさんの謙虚さ、聡明さ。
メイリンちゃんの明るさ、快活さはとても愛せました。
そして今の私は、以前の私より自分のことを愛せるようになりました。
大いなるTeacher‐ハイヤーセルフさんの存在も知り、心強くなりました。
何回も生まれ変わって今現在の私が存在している。
太陽、月、星、空気、水。何千年も前から変わらぬもののお陰で生かされている。
決して一人で生きているわけではない。多くの方々の支えの中で生かされている。
だからこそ私は独りよがりにならず、常に感謝の気持ちを忘れずに生きていたい。
欲が深い人間ですが、これからは見返りを求めず、愛を与える人になっていきたいと思っています。
ありがとうございました。

院長からの解説

退行療法では、深いリラックスの誘導により、現在の自分から幼児期まで年齢退行を行いその中で受けた悲しみ、苦しみ、ネガティブな思いを潜在意識の中から引き出し、ポジティブなものへと転換させていくものです。
色々な精神的トラブル、心の問題は過去の気づいていないトラウマ等や、小さい頃の親子関係等が原因のことが多くあります。
それらをクリーニングし、なおかつポジティブなものへと導くとても有効な療法として、この退行療法を行いました。
そして、とても明るくなり、物事に積極的に取り組むことができるようになり、家庭生活、夫婦関係も円滑になったようです。

3回目の過去世を見るセッションですが、過去世の有無について異論を唱える人がおりますが、クライアントが過去世の自分の性質、傾向を知ることにより、現在の問題に関する理解を得たり、今の人生をより良くするための手法として、有効な療法だと思います。
必ずしも、誰もが過去世に入れる訳ではありませんが、たまたま彼女が目的とする夫との関係、ある人物との関係が過去世の繋がりとしてのご縁だったということです。
そしてこの縁を深く知ることにより、彼女は現在の自分の生きている意味や、人生へのモチベーションを高めていくことができたようです。
私は、彼女とのセッションの中で、改めて「人って本当に変わることができる!!」という確信を持たせてくれました。
脱皮した新しい彼女を見て、私は心から嬉しく思いました。
本当に人間って素晴らしいですね。